ポッチャマの大冒険1






ガサガサ…ガサガサ
ガサガサ…ガサガサ


 
ガサガサ
 
「ポッチャ!」
 

草むらが元気良く飛び出したポッチャマ。今日はメンバーの皆と隠れんぼしてるんだって。
 

「皆何処に居るのー?」


広いジャングルのような森林。捜しても見つかるのは...
 
 
今は殆ど使われていない研究所に


 
「居ない」



もしかしたら雑草なんかに紛れて込んで、だけど引っこ抜いてみたらナゾノクサだったり
 
「クサイハナになったらまた引っこ抜いてあげる」
 
 

バナナみたいな実を見つけて捕まえればトロピウスの群れの中。


 
「ごめんなさい」
 
 




“翌々考えたらバカなのかも。こんな所に居たら誰だって簡単に見つかってしまう”
 



そのとき

 
「誰か泣いてる」


誰だろう
誰かの泣き声がして足の速度を
早め進むポッチャマ。
 
 
キョロキョロ
 

それは草むらの
固まりの向こうに居ました。
白くてフサフサした毛なのにも関わらず肌は
黒(紺に近い)くて鎌を右額に付けているまだ生まれて間もない赤ちゃんポケモン。
 


「どうしたの?お母さんは居ないの」
 

「っ‥わかんない、の」
 

生まれたばかりの子をこんな所に置いて行くだなんて母親は一体何処に行ってしまったのでしょう。
ポッチャマは母親を一緒に捜してあげることにしました。


「僕はポッチャマ。君は?」
 
「アブソル…」
 


生まれたばかりなのに言葉が交わせるということはある意味恐かった。