やってきた少女






















異世界を渡り歩く者


つまり異世界を旅する者のことである。 異世界は無数といってもいいほどのパラレルワールド(平行宇宙)となっている。
それぞれの世界によって文化も言葉も形も違うし、服装や人柄も全く別なものが多い。
戦争真っ最中の世界に犯罪者ばかりの世界、嘘だらけで常識が通じない世界、
豊かだけれど環境問題に負いやられている世界。
これ以外にも危険な世界は沢山ある。特に魔法・忍術が使える世界これは特殊だ。
どんなときでもそれが最終的な自分への手助けとなり、他人の助けともなる。
しかしそれは同時に自分たちの命を落とすことにもなりかねない。異世界を旅していればいつかは命の危険にさらされてしまう。
そんなこともかまわず異世界を旅している少女=神風波音(カミカゼ ハオン)は、
次の世界に渡っている最中で通る次元の中を元気よく越えていく。

光の羽のようなものに包まれてその世界に降り立つと波音を包んでいた羽はバッと翼になって広がり消える。 森のような場所に着く。
「ここは何処かな」と辺りをキョロキョロと見回し、草むらの中を歩いていく。
「生き物の鳴き声?」   歩きながらも必死に耳を澄ませ、生き物や木々たちの音を聞く。
すると突然波音の横からアゲハントが飛び出し波音の横を通っていく。「大きな蝶々さん」と呟き唖然とした。
目で追って見ていると、波音の好奇心なのだろう…パアッと明るい顔をし、ワクワクした表情でアゲハントの後を追いかけていく。
だが途中で見失ってしまった。見失ったのと同時に小さな町へと彼女はやってきた。
「あっ町だ」と声を普通に出すと町まで駆けていった。


「ミシロタウン?」   町に到着した入り口の辺りの看板にそう書かれていた。 当然聞いたことはなかった。
どんな町なのかとワクワク気分でいながら、町の中を歩いていると一軒の家の前に
一台の赤と白のモンスターボールマークがついたトラックを見つけた。トラックの中から力持ちな生き物たちが荷物を運び出す。
「引越して来たのかな?」   彼女は首を傾げ、?マークを浮かべながらそんな様子を見ていた。
運び終わるとトラックは人間の手によってエンジンをかけられて、力持ちな生き物を乗せてミシロタウンを出ていった。
そのあとに波音は異様な光景を見ることとなる。













続く